こっちを向いて、恋をして。


「え、貰っていいの?」

「どうぞ」

ニコりと微笑む優衣。

「マジで!? ありがと!」

その人は直ぐさまプリンを受け取って、早速1スプーン口に運んだ。

感想は……、

「うまっ!」

「良かった」

無邪気に喜ぶ優衣の姿に、ふと朝日に目を向ける。すると、

案の定、頬杖をついて、面白くなさそうな表情を浮かべ、ふたりから顔を逸らしていた。

その机の上には食べかけの、あたしが渡したプリン。


何よ……。

そんなあからさまに、“優衣のプリンが食べたかった”って、顔をしなくてもいいじゃない。

一緒に作ったんだから、何も変わらないよ。
全く同じ味だよ?

言ってやりたい……けど、言えない。

拗ねる子供のような朝日の顔に、胸の奥が締め付けられて。
あたしはただ手に、ギュッと力を入れる……と、

何だかこっちを見られているような気がして、顔を上げた。


すると、今度こそ……今度こそ真っ正面から間近で、その人と目が合った。