こっちを向いて、恋をして。


「今日は朝日が楽しみにしてるって、言ったんだよ!!」

忘れたなんて、言わせない。

朝、あたしにそう言って、微笑みかけたのは朝日だ。

じっと睨みつけるような目で、朝日を見つめる。すると、

「あぁ……」

朝日はプリンにスプーンを刺した手を止めて。

「俺が楽しみにしてたのは……」

言いながら、ゆっくりと視線を動かした。


ドクンッ。

朝日の、とても切なそうな目に心臓が跳ねる。

「ちょっ……」

ちょっと待って。
何しようとしてんのっ!?


朝日が目を向けようとした、その先にいるのは……。


「待って!」

「あー、何か甘い匂いがする~」


慌てて発したあたしの声。だけどそれは、見事に誰かの声と重なって。

目の前の朝日でも、少し離れた場所に立っている優衣でもない太い声に、あたし達は一斉に、その声の方を向く。


あまりのタイミングの良さに、『助かった!ありがとう!』と感謝したのは、一瞬だけだった。

顔を確認した瞬間、あたしの血の気は一気に引いた。