こっちを向いて、恋をして。


あまりふたりを近付けたくないと思っているくせに、こういう時に利用するのは、とってもズルいと思う。

だけど、他に良い手立てがなくて。

「いいよ」

笑顔で頷いてくれた優衣という存在の、保険をかけることにした。


そして……。




「は? 遊園地?」

薄暗くなり、優衣が電気を点けた教室。

一口ぶん掬われてなくなった、はちみつプリンを片手に、眉間にシワを寄せるのは朝日。

思った通りの反応。


でも、少し話した感じからすると、練習を覗いていたことには、どうやら気付いていない様子。

良かった……。

思ったあたしは途端に強気になって、

「プリン食べたからダメだよ! 拒否権なんてないんだからっ!」

腰に手をあて、威張って言った。

で、対する朝日はと言うと、「朝の理由はこれか……」と、小さく漏らして。

「何ふざけたこと言ってんだよ。大西と遊園地とか、絶対やだし」

「はぁ? 人が作ったプリン食べながら、そんなこと言う!?」

「大西が好きで俺にくれたんだろ」

「うぐっ……」

確かにいつもはそう。
頼まれてもいないのに、あたしが勝手に渡してるだけ……だけど、

今日は違う!