あたしが隠したかったのは、自分じゃない。
隣で無邪気に笑う、優衣の方……。
でも、あたしが見ていたとなれば、自然に優衣の姿もついて来る。
放課後に一緒にいないとか、考えられないし。
サッカーをしている朝日の姿が、こうして何も考えずに見られなくなるのは嫌で。
向けられた笑顔に、何だか嫌な予感を感じながら、あたしはどうかあの人が、余計なことを言いませんように……と、心の中で願うしかなかった。
だけど、こういう時の予感って、残念ながら大抵が現実のものとなる。
冷蔵庫で冷やしていたプリンはというと、大成功。
中にはすが入って、表面がデコボコになってしまったグループもあったけど、あたしの方はベテラン優衣がいるおかけか、市販のもののような、とても綺麗な仕上がりだった。
ひとりふたつずつの、ひとつを味見してみると、ハチミツのとても優しい味で。
不安とか緊張とか、マイナスの気持ちを一瞬忘れさせてくれた……のに。



