ギクッ……なんて、さすがに声には出さないけど、肩が思わず飛び上がる。

「や、やだなぁ。狙いとか、そんなのないよ! 朝日と嫌な雰囲気になりたくないなぁって、思っただけで」

ちゃんと笑顔で決められたと思った。

だけど、

「顔引きつってるし、声裏返ってるけど」

「へっ!?」


……失敗。

目の前の朝日はもう、あたしのことを怪しんでしかいない。


「で、本当は何企んでんの?」

「別に何も企んでなんかないってば!」

「……マジで?」

「マジで!」

いや……本当はめちゃくちゃ企んでますけどね、この状況で言えるわけがない。


今週の日曜日、一緒に遊園地に行こう……なんて。


朝日はあたしの顔をじっと見た後、「じゃあいいや」と、顔を逸らした。

決して『企んでない』と言ったあたしの言葉を、信じてくれたわけじゃない。

こうしてあたしが、何も言えなくなってしまったから……だ。