こっちを向いて、恋をして。


「優衣、違う!違うのっ!」

背中に冷や汗をかきながら、慌てて声をかけた。

優衣が話したからといって、あたしも話さなきゃいけないとか、そんな義務がないのは分かっているけど。

親友として、優衣が落ち込む気持ちも分かるから。


「朝日と直接、何かあったわけじゃなくてね! ただ、あんまり相手にされないから……少し意地悪してみたの!」

「いじわる?」

「そう!冷たくしたら、ちょっとは気にしてくれるかな……って」

自分でも怖いくらいの、ウソ。

そんな駆け引きが出来るほど、余裕なんてあたしにはない。


でも優衣は、意外にもあっさりと納得してくれて。

「そういうことだったんだ……」

返ってきた反応に、心の中でホッとする。

このまま上手く話をまとめて、朝日のことは終わりにしようと思った。

優衣にあまり朝日のことを考えて欲しくない……っていうか、せっかくいい感じになったんだから、直大さんのことだけを考えて欲しくて。


だけど、この後の優衣の発言が、更なる波乱の幕開け。