こっちを向いて、恋をして。


「そう……かな」

未だ自信なさそうな優衣に、あたしは力強く頷いた。

何ならここに、直大さんを連れてきてあげたい。
頬を赤らめ、『キスしてくれない』と悩む優衣は、とても可愛い。


「優衣は直大さんの何なの? 彼女でしょ? 思ってること、遠慮せずに言うべき!」

ビシッ!と、あたしが言うと、優衣は驚いた顔をした後、やっと安心したように微笑んだ。


「ありがと、ひかり」

「ううん!」

返事しながら、マグカップに口を付ける。

いつの間にか紅茶は冷めていて、猫舌にはちょうど良い温度。

「少し素直になってみようかな」

前向きになった優衣の発言を嬉しく思いながら、自分の恋の状況と比べて、ちょっとだけ悲しくなった。


そんな感情が顔に出ていたんだろうか。


「それで、ひかりは?」

すっかりいつもの雰囲気に戻った優衣は、テーブルに両腕を抱えて置いて、訊いてきた。