こっちを向いて、恋をして。


「ごめん、今のウソ」

「えっ、えぇ!?」

思いがけぬ優衣の発言に、あたしは想像から抜け、紅茶の水面を声で揺らした。


「ウソって何が! 本当はキスしまくりなのっ!?」

「しまくり……って、ひかり。ウソなのはそこじゃないよ」

優衣はクスクスと苦笑する。

じゃあ、どこがウソなのよ……と、眉を寄せ優衣を見ると、


「直くんに我慢させてるってとこ。本当は……我慢してるのあたしなの」


優衣はとても切なそうに目を細め、カップを両手で包み込んだ。


「ひかりだから言っちゃうけど、キスとかハグとかして欲しいの、あたしの方なんだ……。前はね、一緒にいれるだけで良かったのに、だんだんそれじゃ足りなくなって」

はぁ……と、小さなため息を零す優衣。


「だめなの。最近すごい欲張りになっちゃて」


「嫌だね」と、苦笑しながら言った優衣の言葉が、あたしの中に突き刺さる。