こっちを向いて、恋をして。


ダメだよ。
生まれて16年、一度も彼氏の出来たことのないあたしに相談しちゃ。

相手、間違えてる。

でも、優衣は確かに、他でもないあたしを必要としてくれていて。

それを思ったら、何かを言わないわけにはいかなくて……。


「直大さんはたぶん、優衣のことを大事にしてくれてるんだよ」

あたしの口から出たのは、独自性のカケラもない、テンプレートみたいな言葉。

だけど、優衣は何も疑わず、

「うん。それはあたしも思うんだけどね……」

その言葉を、自分のためだと素直に受け取る。

「あたし高校生だし、年の差があるから、変に我慢させちゃってるような気がして」

言いながら、目線を落とす。
優衣のその仕草に、あたしも切なくなる。

そんなことないよ……って、言ってあげたい。でも、それを言ったら、立った今言ったばかりの自分の発言を、否定することになりそうで。


高校生と、大学生。

やっぱりそこに、遠慮とか我慢とか、生まれてしまうものなんだろうか。

そんなことを真剣に考えていると……、