こっちを向いて、恋をして。



「お待たせ」

言いながら、優衣が入ってきた。
ふんわりと、紅茶の香りを漂わせて。

目の前の楕円状のテーブルに、ティーポットとマグカップ、クッキーの乗ったお皿が並べられる。


紅茶と……それから、春の花の香りのような良い匂いがするここは、優衣の部屋。

淡いピンク色で統一された可愛らしい部屋は、とても綺麗に片付けられていて。

入った人はみんな、口を揃えて『イメージ通り』だと言う。


もう何度目になるかな……。

子供の頃から幾度となく入ったこの部屋は、あたしの部屋とはずいぶん違う雰囲気だけど、目に馴染んでる。


そっと紅茶が注がれる、イチゴ模様のマグカップは、あたし専用。

すぐさま口を付けようとして。
でも、あまりの湯気の熱さに諦めて。

「それじゃあ、聞かせてくれる?」

あたしは、真っ直ぐ優衣を見た。