こっちを向いて、恋をして。


「分かった」

あたしは任せなさいとばかりに胸を叩いて、大きく頷いた。

こうなったら、あたしが絶対ふたりの仲を取り持ってあげる!

そう意気込んで、優衣と廊下に出ようとした……その時。


「「あ」」


何てタイミング。

白のエナメルバックを肩に下げ、部活に向かおうとする朝日と、バッタリ出会した。

重なった声に、重なった視線。
だけどそれは一瞬で。

次の瞬間には、朝日の視線はあたしを追い越す。そして、

「あ、石丸くん」

すぐ後ろから、優衣の声。


考える……余裕もなかった。


「い、行こっ!」

「えっ……ひかり?」

優衣の手首を掴んで、足早にその場を立ち去る。

「どうしたの? ひかりも石丸くんと何かあったの?」

朝日と一言も言葉を交わさず、逃げるように歩くあたしに、当然のように優衣が聞く。