こっちを向いて、恋をして。


大したものじゃない、みたいに言うけれど、これだけのものが出来れば上出来だと思う。

……って、いうか。

「何で朝から?」

あたしと違って優衣は、ギリギリまで寝てたりしないんだろうけど。
学校のある朝に、そんな手間がかかることをする理由が分からない。

あたしに『先に行って』と言った手前、早起きし過ぎたわけでもなさそうだし。

首を傾げて見つめると、優衣は少しはにかんだ表情で、

「彼にね、あげようと思って」

と、言った。


「きゃあ!」と、声を上げたのは友達。

「昨日も会ったんだよね」

冷やかすようにあたしが言うと、

「今日はあたしから会いに行こうと思って」

照れた様子で答える優衣。

「いいなぁ。ラブラブで羨ましーい!わたしも彼氏欲しーいっ!」

体を左右にくねらせながら言う友達の発言に、「ねー」と、合わせようとした時だった。


「ラブラブでは……ないかも」

優衣の言葉に、空気が一瞬にして凍りつく。


「あんまり上手くいってないかも……」


さっきの幸せそうな顔はどこ?っていうくらい、優衣は寂しそうな顔をして言った。