こっちを向いて、恋をして。


朝日の口から出るのは、いつも決まって優衣のこと。

あたしの気持ちを知っているんだから、もうちょっと考えてくれてもいいじゃない。
……いや、知ってるからこそ、意地悪で言ってるのかもしれないけど。

対するあたしも、相当意地悪なことを言ってる。

でも、これでおあいこ……っていうか。


ガタン!

苛立つ気持ちをぶつけるみたいに、少し乱暴に引いた椅子。

落とすように勢い良くお尻を降ろすと、骨に響く感じで痛かった。

何なの。自分の席すら、味方してくれないの?

ムッと頬を膨らます。

まるで『自分の言動を反省しろ』と、罰を当てられたみたい。

だったら、朝日にも罰当ててよ。
っていうか、あたしは悪いことなんてしてない。

だって、優衣には本当に相思相愛の彼氏がいるんだから。
朝日には諦めてもらわないと、困るんだから。


そうやって、自分自身を正当化させないと、近付けなくなりそうだった。

とても切ない表情を浮かべる、朝日に……。