こっちを向いて、恋をして。


泣いてしまいそうになるくらい、イチゴオレが嬉しかったのに、その気持ちはシュンと萎む。

代わりに膨らむのは、イライラ。


「あの」

バンッ!と、少し大きな音を立て、朝日の机に置いた片手。

本当は両手を置きたかったところだけど、イチゴオレを持っていたから、片手になった。

「残念ながら、優衣は彼氏とラブラブだよ?」

クラスメイトに聞かれちゃマズいから、そこは朝日にしか聞こえない小声で。

満面の笑顔を浮かべて、こっちを向いた彼に告げた。


これで、ちょっとでも落ち込んた様子を見せてくれれば、まだ可愛げがあるのに、

「知ってる」

無表情で返事した朝日は、そのままフイッと顔を背けた。


「……」

こうなったらもう話を続けても、悪い方向にしか進まない。

分かっているから、今回のところはこのまま退散することにした。