こっちを向いて、恋をして。


岩崎、岩崎優衣。
あたしの大好きな、親友の名前。

だけど、朝日が口にすると、その名前はとても複雑な気持ちへと変わる。


いや、気になるのは分かりますよ?

いつも一緒に登校してて、いつも一緒にいるのに、今日はあたしの側にいなかったから。

朝日が笑ってくれるようになったのだって、あたしが優衣の親友だからだって、本当は分かってる。

……でも、でも。


今、このタイミングで言わなくたって、いいじゃないっ!!


「今日は先に行っててって、言われたの」

怒鳴りつけてやりたい気持ちを必死に堪えて、あたしは笑顔で答えてあげた。

だけど、ヒクヒクと動く口角。
絶対に顔、引きつってる。

「え、何で?」

「知らない。理由までは聞いてない」

「ふーん……」

そう言って、逸らされる顔。

会話終了。
頬杖をついて考えるのは、多分優衣のことなんだろう。