こっちを向いて、恋をして。


うわ、嬉しい。
どうしよう、嬉しい……。

両手で持ったイチゴオレ。
ピンク色のパッケージが、何だか滲んで見える。

「ありがとぉ……」

震えそうな声で言うと、

「一番安いジュースじゃん」

「……」

確かに、このパックの種類が、学校で一番安い……けども。

「ひと言余計っ!」

せっかく感動してたのに!と、あたしが顔を赤くして怒鳴ると、その瞬間、朝日は小さく笑って。

ドキン。

胸の鼓動が、ふいに大きくなる。


出逢った当初は、あたしに笑顔なんて一秒たりとも向けてくれなかった。

それが、やっと最近……笑ってくれるようになって。

そのほとんどが、あたしを小馬鹿にするものだけど、それでも嬉しい。


その笑顔。やっぱり好きだなぁ……って思って、頬を赤らめていた、その時。


「そういえば、今日岩崎は?」

彼は一番言って欲しくない名前を、とてもあっさりと呼んでくれた。