こっちを向いて、恋をして。


詳しいことは言えないけど、

「中村くんとは、恋人って感じで付き合ってたわけじゃないよ?」

念のため告げると、

「へー。廊下でイチャイチャしてるの見たことあるけど」

「えっ!?」

身に覚えのない、とんでもないことを言われて、今度はあたしが目を丸くした。


「そっ、そんなことしてないっ!」

「ふーん……」

「信じてってば!」


何で? さっきまでは、あたしが朝日を攻めていたはずなのに。

気付けばいつの間にか。完全に朝日のペース。


「あー……分かったから」

顔を赤くして迫るあたしを苦笑して。



「誰にどんな嘘をつかれても、大西の気持ちだけは信じられそうだわ」

朝日はまるでお日さまみたいに笑った。