こっちを向いて、恋をして。


「ずるい! あたしはずっと朝日のことが好きだったのに! ずっとずっと、朝日のことだけを見てたのに!」

ポカポカと続けざまに朝日を叩く。
言ってることは自分でも、よく分からない。

ただ、あっさり告白して上手くいっちゃう朝日は、ずるいような気がして。

それに、あたしはあんなにアプローチしてたのに。それでも、優衣のことばっかり見てたくせに。

いきなりあたしのことを、好きになってたりしないでよ。


「ばか!ばか!」と叩いていると、その手は急に止められて。


「で、どうなわけ」

「え?」

「大西は俺と付き合う気あんの? それとも圭太を選ぶ?」


いつになく真面目な表情に、あたしの体はピタッと固まる。


「……中村くんとはもう付き合ってないよ?」

「……」

言うと、朝日は目を丸くした。


え。もしかして中村くん、言ってなかったのかな……。

なんて思った次の瞬間、「あいつ……」と、朝日が声を漏らしたから、どうやら当たりらしい。