こっちを向いて、恋をして。


「岩崎」

それが、朝日の第一声。

あたしの名前じゃない。


あぁ、やっぱり。
そういう展開ですか……って、頭の中が真っ白になる。

呑気に気持ちを伝えたいだとか思っていたけれど、そんな時間さえあたしにはないのかもしれない。

じゃあ、あたしに出来ることは……。

朝日に気を遣って、席を立とうとした時だった。


「ごめん、ちょっとふたりにさせて」

そう朝日に言われたのは、あたしじゃない。

「うん」

優衣は微笑んで頷くと、立ち上がって。

「がんばって」と、あたしに耳打ちした。


……え、ちょっと待って。
状況が上手く理解出来ない。

何で優衣を追い返しちゃうの?

……って、もともと話があると言われていたのは、あたしっぽいんだけど……だけどっ!


恐る恐る顔を上げてみると、そこには朝日。


「えっと……とりあえず、座る?」

へへっと無理やり作った笑顔を浮かべて、あたしは朝日に聞いてみた。