こっちを向いて、恋をして。


それにここには、優衣もいる。
最悪の場合、本当に話があるのは、こっちかもしれない。

……それでも。


「優衣」

小さく名前を呼んで、白いブラウスの脇をキュッと掴む。

朝日の話がどんなものでも、伝えたいと思う……自分の気持ち。

「素直に言ってもいいと思う……?」

最後のひと押し。
誰かに背中を押して欲しくて、問いかけた。

すると、優衣はきょとんとした後に、やんわりと微笑んで。

「うん、いいと思うよ」

白く細い手を、あたしの背中に伸ばした……その瞬間。


目の前に、人の気配。

あたしが優衣から顔を動かす……と、


目の前には、朝日が立っていた。


「……」

不意打ちすぎて、声も出ない。

優衣は気付いていたのかな。
手は背中に触れたまま。


第一声は何て言えばいい?……って、頭の中で考えていた時だった。