こっちを向いて、恋をして。


「インターハイはもう終わったんだけどさ、冬は絶対レギュラー取るし!」

中村くんは、力強くそう言って。


「そん時は、朝日とプレーするから観に来てよ」

「っ、うんっ!」


朝日と……。

その言葉が嬉しくて、あたしは大きく頷いた。





「中村くんって本当は、ひかりのことが好きだったんじゃない?」

「……へ?」

唐突に優衣が口を開いたのは、中村くんの姿が遠ざかって、見えなくなってから。

全く考えてもいなかった発言に、あたしは目を丸くする……けど、

「なっ、ないないっ!」

片手を顔の前でぶんぶんと振った。


昔の、中学の時の恋愛話を聞くからして、中村くんの好きなタイプも、たぶん優衣みたいな人。

それに、あたしと付き合っていたのも、別にあたしのことが好きだからとか、そういうのじゃなかったわけだし。


「絶対ない!」と言い切ると、「そうかなぁ……」と、納得のいかない様子で呟く優衣。