こっちを向いて、恋をして。


「あ、あたしだって……」

あたしだって、出来るなら前みたいにしたい。

中村くんとの関係を解消したときは、また戻れると思ってた。


だけど、一度変わった雰囲気を変えるのは難しくて。

その上、朝日の様子は何だか変で。

少し期待しちゃってる今だからこそ、下手に好きって言っちゃって、距離が出来てしまうのがすごく怖い……。


「えっ、ちょっと……」

あたしの様子を察してか、隣に座った優衣が少し焦った声を出す。

だけど、その次の瞬間。


「じゃあ、俺とまた付き合う? 今度は本気で」

「……」


1、2、3秒。

あたしはポカンと口を開けた。

そして、


「なっ……!」

やっと意味を理解して、声を上げようとした時。


「ぷっ」

真顔から一変。
中村くんは吹き出して。

「冗談だよ。大西さんって、ホント面白いよね」

笑いながら、そう言った。