こっちを向いて、恋をして。


「あぁ、それは大西さんに。病み上がりなんだから、しっかり水分摂っとけって、朝日が」

「え……」

目をパチパチさせて、もう一度袋の中を覗く。

それって何……
心配してくれてるってこと……?


「……」

じんわり、胸の奥が熱くなる。

昨日は全然、そんな素振りみせなかったくせに。


ビニール袋を持つ手の力が、ギュッと自然に強くなる。

自分の中の世界に、少し浸ってしまっていると、


「その様子じゃ、まだ特に進展はなし?」

「え?」

突然降ってきた言葉に、あたしはやっと顔を上げた。

すると、

「前みたいに、好き好き光線全開!……って感じで迫ってねーの?」

中村くんは無邪気に首を傾げて。

「っ……!」

あたしは何も口に含んでいないのに、思わず吹き出しそうになった。

「好き好き光線って! そんなのっ……してないよ!」

「何で」

「何で……って」

言葉に詰まる。

からかわれているんならあれだけど、どういうわけか中村くんは真顔。

そんな顔で見ないで欲しい。