こっちを向いて、恋をして。


で、そんなことになってしまう程、ボーッとしたり、動揺したりしてしまった理由なんだけど……。


「そういえば、石丸くんが」

「ひあっ!!」

バサッ。

悲鳴を上げ、布団を頭から被る。


恐る恐る、ゆっくり顔を出してみれば、

「……」

パチクリと瞬きをする優衣。


恥ずかしくて、カーッと顔が赤くなる。

名前を聞いただけで、こんな……。

さすがに意識しすぎだって、自分でも分かってる。


泣きそうな顔になるあたしを見て、クスッと小さく優衣が笑って。

カバンの中から何かを取り出すと、あたしの前に差し出した。


「なに……」

言いながら手に取れば、それはノートのコピー。

現文も数学も英語も……あたしが休んだ2日ぶんの授業、全部とってある。

可愛らしい丸い字は、優衣のものではなくて。
同じクラスのミカちゃんかなぁ……なんて、思った時だった。