コンコン。
「ひかり、起きてる?」
お母さんの声に、ゆっくり目を開く。
返事するより先に、開けられたドア。
「優衣ちゃんが来てるけど」
「んー……」
ごしごし。
目をこすりながら、体を起こして。
「どうする?」って聞いてきた言葉に、「入ってもらって」と、返事した。
「ごめん。起こしちゃった?」
「ううん、大丈夫」
言いながらベッドから出ようとすると、「そのままでいいよ」と、優衣。
「どう?熱は?」
「うーん……だいぶ引いたかなぁ」
聞かれて。反射的に自分の手をおでこに当ててみる、けど……
熱さまシートを貼ってあって、実際はよく分からない。
でも、昨日や今朝よりも、ずっと気分は良くなったから、間違ってはいないはず。