こっちを向いて、恋をして。


いや、まずいだろ。この反応。
大西は圭太の彼女なわけで。

必死に冷静さを取り戻そうとする。

だけど、


「朝日さ……もうひとつ、俺に遠慮してることってない?」

圭太の問いかけに、ドキッと鼓動が跳ねた。


「何だよ遠慮って」

言いながら、無理やり足を進める。

動いてないと、上手く感情を取り繕えそうになくて。

今のこの感情を抑えようと、とりあえず更衣室の中へ入ろうとした……のに、


「俺、もう大西さんと付き合ってないよ?」

「っ!」

「って、言ったらどうする?」

「……」

完全に引っかかった。

付き合ってないって言われて、しっかり足を止めてしまった自分。

振り返ると、案の定笑っていて。

「ふっ、くくっ……」

掠れた声で、お腹を抱える圭太。

「……」

……そんなにおもしれーかよ。

あまりの笑われっぷりに、眉間にシワを寄せる……けど。