こっちを向いて、恋をして。



「あのっ、これっ!」

周りに響くくらいの、勢いのある声で言って。大西は俺達の前に何かを差し出した。

見ればそれは少し深さのあるタッパー。


「……何?」

思わず訊ねる。

すると大西は、俺の顔を見て、少し驚いたような表情になって。

「はちみつレモン……」

小さな声で呟いた。


「え、何で? 今日って部活ない日じゃなかったっけ?」

「あ、うん。そうなんだけど……」

圭太の質問に、戸惑う大西。

「調理室を借りて、ふたりで作ったの」

代わりにやんわりと答えたのは、大西の一歩後ろにいた、岩崎。


「マジで? これ渡す為にこんな時間まで?」

「うん。今日のお昼に作ったから、まだそんな浸みてないかもだけど……」

ちらり。
大西は顔色でも伺うように、俺を見る……と、

「はいっ!」

「っ!」

差し出していたタッパーを、押し付けてきた。

そして、