こっちを向いて、恋をして。



残っていたボールなんかを片付けて、グラウンドから戻ってきた俺達は、そろって目を丸くした。

昨日、圭太に怒鳴られた場所。その角を曲がって、入ろうとした更衣室。

その扉の前には……


「あ、お疲れさまです」


どういうわけだか、大西が立っていた。
その隣には、岩崎の姿も。


今日が火曜か木曜なら、まだ分かる。

だけど金曜日で、更に時刻はもう7時を回っていて……。


……あぁ、そっか。
圭太を待っていたんだ。

ふたりは付き合っているから。


ほんの少し波立つ、自分の感情。

岩崎もこの時間まで付き合わされて、大変だな……なんて思いながら、気持ちが表に出てしまう前にと、足を進めようとした。

だけど、


「こんな所で何してんの?」

圭太の言葉に、足を止める。

何って、お前のことを待ってたんじゃないのかよ……と、振り返ろうとした時だった。