こっちを向いて、恋をして。


「今の俺ピンピンしてんだから、もういーじゃん」

「遠慮とか、変な気遣ったりすんな」と、圭太は続けて。


「心配されなくても、お前には負けねーよ」

声と共に差し出されたのは、グーにした片手。


自分は、何てバカなことをしてたんだろうと思った。

遠慮なんか必要なかった。

この手が、足が、誰よりも努力してること……俺は知ってるから。


久しぶりに1対1で競り合った圭太は、以前よりもずっと、強くなっていた。

うかうかしていたら、多分そのうち追い抜かされる。


「……楽しみにしてる」


コツン。

自分の握り拳を、圭太の拳にぶつけた。