こっちを向いて、恋をして。


その後から、俺は先輩達に混じって練習をさせてもらって。

圭太と一緒にプレーすることはなく、言葉を交わす機会もなかった。


気まずいと思う気持ちが、なかったわけじゃない。

今日のところはもうこのまま……なんて、後回しにすることも考えた。

だけど、ふと隣を見てみれば、誰よりも熱心に練習する圭太の姿があって。

このままじゃいけない。
ちゃんと謝らなきゃいけないと思った。

だから。



「圭太」

部活が終わって。

両腕に4つほど、サッカーボールを抱えた圭太に声をかけた。

俺を見るなり、少し驚いたような顔をする。だけど、

「何?」

「ちょっと話がしたいんだけど」

言うと、「あー……」と、歯切れの悪い返事をしながら、


トンッ……トンッ。

腕の中からひとつ、ボールを落とした。


そして、

「せんせー! もうちょっと練習してもいいっすかー?」

突然、声を張り上げたかと思うと、

「付き合えよ」

地面に落ちたボールを、ポーンと俺の方へ蹴った。