こっちを向いて、恋をして。



そしてその圭太と顔を合わせたのは……放課後の部室。

実質更衣室として使っている、そのドアを開けようとした瞬間。

内側から誰かが出て来て、それは他でもない圭太だった。


「……」

昨日の今日で、予期せずバッタリ鉢合わせ。

ふたりして目を見開く。


「あ……」

「わり」

俺が声をかけるよりも早く、圭太は部室を出て行った。


「……」

思わずそのまま、立ち尽くす。
すると、ポンっと背中を軽く叩かれて。

「あれ? 中村、めっちゃ早いじゃん」

振り返ってみれば、後ろには先輩が立っていた。

その目は、誰よりも早くグランドへ向かう、体操服姿の圭太を追って。


「お前から遅れないように、あいつも必死なのかもしれないな」

と、先輩は目を細めた。



その日、いつもの自主練が終わった直後。

みんなを集めて、顧問の先生が週末の練習試合に、レギュラーとして俺が入ることを正式に発表した。