こっちを向いて、恋をして。


「来週の試合、先輩の代わりに出るんだろ?」

一体どこから聞いたのか、知ってるとは思わなかった情報を出され、目を丸くする。

「え、何それマジで?」

周りの男子達も、顔をこっちへ向ける。


一瞬だけ返事に迷ったのは、昨日までは出るつもりなんかなかったから。

でも……。


「あぁ」


首を縦に、頷いた。





それから1日、大西が俺に話しかけてくることはなかった。

それどころか、休憩時間になると逃げるように教室を出て行って。

昼休憩なんか、戻ってきたのはギリギリ。授業が始まるチャイムと同時だった。


今までにもこんなこと、何度かあったけど。


とうとう愛想を尽かされたのかもしれない……。

そう思ったのは、大人気ないことをしたという自覚があるから。


でも、これで良かったのかもしれないとも思った。

今、もしも大西に近付かれたら、素直な気持ちで圭太に接することが、出来なくなってしまいそうだったから。