こっちを向いて、恋をして。


昨日、大西が抱えていた紙袋。

中身はきっと調理部で作ったもので、圭太に渡すんだと思ったら、すげー嫌な気分になった。


それから、あの発言。

大西の言ったことは、何も間違ってはいなくて、反省させられるものだった。

だけどそれは、俺のためじゃない。
圭太の為に言ったんだと思うと複雑で、胸の奥がぐちゃぐちゃになって。

そうなら、それで。圭太のことだけを考えていればいいのに、中途半端に謝ろうとしたりするから。

『何なんだよコイツ』って、苛立つ感情を抑えきれなかった。


……言ってしまえば、ただの嫉妬。

こんなのみっともないって、俺には嫉妬する権利なんかないって、分かっているけど……。


「……おいコラ朝日」

「ん?」

「お前、ちゃんと見てろよ」

よそ見していたのが見つかって、思い出したように画面を覗き込めば、クリアしたことを伝える『Win』の文字。


「いつの間に。すげーな」

「任せろ」と、誇らしげに笑う秋山。

昨日、あんなにやってもクリア出来なかったのに……と、思っていると、

「まぁ、現実のサッカーじゃ、朝日様には敵わないけど」

と、続けて笑われた。