こっちを向いて、恋をして。


ピンと背筋を伸ばし、緊張した面持ちで席に着く姿に、気が少し重くなる。

多分……と、予想して近付くと、

「あっ」

思った通り、大西は俺の姿に気付くなり、立ち上がった。


「はよ」

「おっ、おはよ! えっと、昨日は……」

「いいよ、別に」

大西の声を途中で遮って、荷物を机の上へと下ろす。

「え……」

ごめんって謝られるのは、何となく予想が出来ていて。

「間違ったこと、言ってないじゃん」

「っ……」

顔も見ずに俺が言うと、大西は言葉を詰まらせた。


気まずいような、重苦しい空気。

原因は自分。


「あの、でもっ……」

「おーい、秋山ー」

改めて何かを言おうとした大西。

だけど俺はそれをわざと無視して、クラスメートの男子の所へ向かった。