こっちを向いて、恋をして。


「何でそんなことすんだよ!」

今までに聞いたことのない、中村くんの荒んだ声。

「お前が頼まれたんだから、お前が出ろよ! 勝手にんなことされても、嬉しくねーんだよ!」


朝日が何をしたのか、あたしには詳しく分からない。

でも、何となく分かるような気がした。


いつか聞いた、中学生の時にキャプテンを譲られたっていう話。

それから今日、お昼休憩中に顧問の先生に呼ばれていた朝日。

ふたつが頭の中で結びついて。


「何とか言えよ!」

中村くんの声が迫る。

だけど朝日の声はしない。


これはふたりの問題。

あたしが横から出て行って、何か言えるようなことではない。

分かっている……けど。


「っ……!」

「だめ!!」


あたしが出て行った瞬間、中村くんは朝日の胸ぐらを掴んでて、片手は顔より高い位置で拳を作ってた。

それはきっと、朝日の所へ振り落とされる予定だったのだろう。

だけど、