こっちを向いて、恋をして。


もし、優衣と気持ちが通じたら、付き合えることになったら、

彼は一体どんな顔をするんだろう。


あの切ない笑顔が……本当の意味での笑顔に変わるの?

それって、どんな顔……?


その日、家に帰ったあたしは、そんなことばかりを考えていて。

気付けば、頭の中は彼のことでいっぱいになっていた。


そして、思ったんだ。


彼の笑顔を見てみたいって。

誰よりも近くで、あたしが。

彼に愛されてみたい……って。




「……り、ひかり?」

目の前でひらひらと、華奢な手が揺れて、あたしはハッと我に戻る。

やばい、すっかり自分の世界に入り込んでいた。

『ごめん』と、謝ろうとしたあたしよりも先に、

「変なこと聞いちゃって、ごめんね」

謝ってきたのは、優衣だった。