こっちを向いて、恋をして。


声を殺して苦笑する、朝日の表情にドキンと鼓動が高鳴る。

そんな顔……ずるい。

顔に熱が帯びてゆくのを感じて、直視していられなくて、フイッと顔を背けた。

だけど、


「何?」

「や、あの、ケータイ。返してもらえたみたいで良かった」

思い出したようにそう告げると、「あぁ」と返事する朝日。


「その、何ていうか……本当にごめん」

何度も何度も謝って、ウザイと思われるかもって思ったけど、触れないわけにはいかなかった。

だって、あたしのせいで朝日は、一週間もケータイのない生活をすることになったわけで……。

「困ったこととかなかった?」

「あ?」

「ケータイなくて……」

『ある』と答えられても何も出来ないのだけど、恐る恐る聞いてみる。

すると、

「別に。そんな連絡取る奴いねーし」

と、答えてくれたけど、あたしがホッとするより早く、

「あ、でも」

と言葉を挟んで。

「ゲーム。大西のせいでかなり遅れたわ……」

言いながら、ケータイの画面を操作する。