こっちを向いて、恋をして。


気付かれないように気をつけて、そっと見ていたつもりだったのに……いつの間にか、ガン見。

すると、クラスメートの男子に向いていた顔が、突然動いて、

「っ……」

ばっちり目が合った。



その瞬間、ピシッと石のように固まる体。そして、

えっ、えっと……!

頭の中はパニック状態。

とりあえず!と、あたしは、


『にへらっ』と、変な笑顔を浮かべた。


「……」

真顔で、あたしに目を向けたままの朝日。

……何、やってるんだろう。

自分の行動っていうか、とても不細工であろう不自然な笑顔に、自分自身引く。


たぶんこのまま、シカトされちゃうんだろうなぁ……って、そう思った次の瞬間だった。


朝日はフッと小さく笑って。

「じゃ」

男子達に短く言うと、


こっちへと向かって、歩き出した。