こっちを向いて、恋をして。


なんて、直接本人に言ってしまえば早いけど、それは出来ない。

中学の頃のこととか、部活のこととか、何も知らないあたしが、突然口を挟める問題ではないし。

……それに。


あたしの頭の中をぐるぐる回ってる、もうひとつのこと。


それは……朝日にもうひとり、好きな人がいたこと。


その人のイメージが、あんまり優衣にそっくりなものだから、ちょっと戸惑ってて。

心の中で「ごめん」と、中村くんに対して呟く。


考えなくちゃいけないのは、朝日と中村くんのことなんだけど。

周りに何と言われたって、脈がないと思ってたのは、嘘じゃないんだけど。

授業中、ケータイを鳴らしたあたしを庇ってくれたり、不意に微笑んでくれたりするから……

ほんの少しだけ、期待する気持ちが生まれてしまっていた。


……でも。