こっちを向いて、恋をして。


「あのね……」

今のあたしの気持ち、それから今一番の悩みの種である、中村くんのこと。

それら全部を、あたしは優衣に伝えようとした。


だけど、その時だった。

フッと頭の中に蘇った、ある記憶。


……そうだ。
あたし……あたしも――。


「……ごめん、優衣。今日予定ある?」

「え?」

唐突に切り替わった話。
当然のように優衣は、目を丸くする。

「もし大丈夫だったら、なんだけど……ちょっと手伝って欲しいことがあって」

詳しいことは、まだ話せていない。

しかも、いきなり手伝ってほしいことが……とかって、自分でもちょっと順番、間違えてると思う。

だけども優衣は、


「大丈夫だよ」


柔らかく微笑み、頷いてくれた。