こっちを向いて、恋をして。


優衣に手を振られた彼は、確かにあたし達から顔を逸らした。

だけど、その様子は明らかにおかしい。


なんで、そんな……

そんな、赤くなってんの……?


まるで、全く別の人を見ているみたい。

あたしに対してとても冷たく、無の表情しか浮かべなかった彼が、困ったような顔をして、頬を赤く染めていた。


「……」

ポカンとした後、ハッと気付いて、隣に目を向ける。

すると優衣は、手を振るのをやめ、「ん?」と、何でもない表情。

でも、

もう一度彼を見ると、やっぱり戸惑ったような顔。


もしかして……もしかして。

この人、優衣のことが好きなのっ!?



この時、勘付いたことは本当だった。

疑惑はすぐに確信に変わった。


時々、重なる視線。でもそれは、あたしが気付くと、すぐに逸らされて。

あたしじゃない。
朝日が見ているのは、あたしの隣の……優衣。


彼の想いに気付くのに、時間なんてかからなかった。

だから、