こっちを向いて、恋をして。


待って、やめて。
聞きたくない。


「その時に、もし石丸くんが彼氏だったら……って」

「だっ!だめっ!」


考える余裕なんてなかった。

優衣の口から決定的な言葉が溢れた瞬間、あたしは大きな声を出していた。


「……」

何、言っちゃってんだろう……。

ハッと我に返って、嫌な汗がタラリと、背中を流れ落ちる。


恐る恐るゆっくりと見れば、優衣はキョトンと驚いた顔をしていて。

……でも。

すぐにフッと苦笑した。そして、


「ひかりってば、正直なんだから」

「へ?」

クスッと小さく笑う優衣に、目をパチクリさせる。

「心配しなくても大丈夫だよ。今の、冗談だから」

「え……えっ!?」

思わず声が裏返った。

だって、冗談って、何?

「ごめん、ちょっとだけ意地悪しちゃった」

いじわる……?


「ひかりがあんまりにも何も喋ってくれないから」


さっきと同じ。

優衣は微笑んでこそいるものの、寂しげな表情を浮かべてて。