こっちを向いて、恋をして。


「何かあった?」

優衣は足を止め、小さく首を傾げて。

やばい。いつの間にか黙り込んじゃってたみたいだ……。

「ううんっ!何でも!」

笑顔を作って返事をすると、あたしはまた前へと歩き出そうとした。

だけど、

続いて来ない優衣の体。

「優衣?」

どうしたのと、振り返ってみると、優衣は何だか寂しそうな顔をしていて。

目を丸くした、次の瞬間。


「じゃあ、あたしが話しちゃっていいかな?」

静かな微笑を浮かべて、優衣が顔を上げた。

「う、ん……」

改まった様子に、よく分からないけど不安になる。

何だろう……。
何の話?

じっと優衣を見つめると、1歩こっちに近付いきて。

「あのね、最近直くんと上手くいってなくてね。この前……石丸くんに相談したの」

「えっ……」

優衣の口から朝日の名前が出た瞬間、ドクンと心臓が跳ねた。

「そしたらね、すごい親身になって聞いてくれて」

柔らかく微笑む優衣。
その表情は、まるで……。