こっちを向いて、恋をして。


きっと少し前のあたしなら、朝日にこんなこと言われたら、微笑んでもらえたら、嬉しいばっかりだった。

もちろん今も、とても嬉しい。
泣いてしまいそうなくらい、嬉しい。


だけど、その感情を素直に表に出すことは……出来ない。


「あ、当たり前でしょ? このひかり様が作ったんだから!」

あたしは精一杯“普通”に振る舞う。

「自分で言うなっつーの」

朝日もたぶん普通。


昨日からちょっとだけ、いつもよりも優しい気がするのは、あたしの気のせい。

勘違いだ、勘違い。

……そう考えないと頭の中、おかしくなっちゃいそうだった。


人知れずドキドキする、胸の鼓動を抑えようとしていると、担任の先生が入って来た。

途端に静かになる室内。
号令をして、始まるホームルーム。

諸連絡を伝える先生の声は、全く耳に入って来なくて。


考えるのは、朝日のことばかり。