こっちを向いて、恋をして。


「……はよ」

小さく返ってきた挨拶。そして、

「昨日はサンキューな」

「へ?」

続いた言葉に、目をパチパチさせる。

『何のこと?』って、あたしが聞くよりも先に、「クッキー」と朝日が呟いて。

「てかさ、あれ何の形だったわけ?」

「え?」

「得体の知れない動物が混ざってたけど」

少し馬鹿にするように言われて、ハッとする。

「あっ!あれはネコ!ちゃんと耳もしっぽも付いてたでしょ!?」

「マジで?あれネコなの?さすが大西」

「……」

喧嘩でも売っているのか、苦笑された。


確かに、思いの外膨らんじゃって、変な形になっちゃったけど。でも……。


「まぁ、味は美味かったよ。今回は焦げてなかったし」

心の中で思ったことを、そのまま口にしたのは、朝日だった。

しかも、その表情は……微笑んでいて。


「っ……」

何で?
ねぇどうして?

そんな顔されたら、胸の奥がギュッと掴まれたみたいに、苦しくなる。