こっちを向いて、恋をして。


やっぱり望みはないと分かってしまったんだから、こんなことを考えても仕方ない。

それよりも……。


『俺、朝日のこと嫌いなんだ』

昨日の中村くんの言葉を思い出す。

『なんつーか、偽善者っていうの?自分は目立たなくていいとか、2番目でいいですみたいな』

そういうところがムカつく……って、言っていたっけ。

確かに、自分のことは後回しっていうか、無理して1番にならなくてもいいってところはあると思う。

優衣に対する感情だってそう。
本当は好きなくせに、直大さんとのことを応援しちゃってるし。


でもそこが、朝日の良いところであって……って。


「何?」

さっきまで逆を向いていた顔が、突然こっちを向いた。

怪訝そうな顔をして、こっちを見る朝日。

目と目が合わさったその瞬間、あたしは思わず固まって。


やだ……顔が赤くなる。


「あっ、えっと……お、おはようっ!」

苦しまぎれ。
片手を軽く挙げて、挨拶した。

何とか作った笑顔は引きつっていて、もうここから逃げてしまいたいと思った。

だけど、