こっちを向いて、恋をして。


「そんな怖い顔しないでよ。大西さんなら俺の気持ち、少しは分かってくれると思ったんだけどなー」

「……え?」

続けられた言葉に、ポカンと口を開けた。

だって、意味分かんない。


あたしが中村くんの気持ちを分かる?

……何で?


問いかけるように中村くんを見つめてみる。だけど、

「とにかく、俺は変なことは言ってないつもりだよ。昨日、俺的には楽しかったし、今日も一緒に帰りたいと思ってる」

ニッと笑って、手のひらをポンっと頭の上に乗せられた。


どうしてかな……。

お互い“好き”っていう感情はないはずなのに、胸がチクンと痛む。


よくわからない罪悪感と、理由のハッキリしない中村くんの発言にモヤモヤしながら、あたしは口を開いた。


「今日はダメ。優衣と帰る約束してるから」

約束……っていうのは、ちょっと言い過ぎかもしれないけど、『今日は一緒に帰れる?』と聞かれて、さっき頷いたばかり。