こっちを向いて、恋をして。



翌日。

一緒に登校してきた優衣と別れて、そーっと覗き込んだ教室。

あたしの隣。一番窓際の席には誰もいなくて、ホッと胸を撫で下ろす。


意識するのは、昨日が最後。
そう決めて、クッキーを渡したはずだったのに……あんなことされたら、どんな顔をして会えばいいのか分からない。

自分の席まで歩いて、カバンを机の上に降ろす。


朝日より先に着いて良かった。

先に席に着いておけば、挨拶するもしないも朝日次第だもん。

そんな、ちょっとだけずるいことを考えて、「ふぅ」と息を吐いた時だった。


「えっ、一週間没収ってマジだったわけ!?」


廊下から聞こえた声に、ピンと背筋が伸びる。

「えっ」って思って、自分が今通ったばかりの教室の出入り口を見ると、


入ってきたのは朝日と、


「一週間もケータイないとか、マジ最悪じゃん!」


中村くんだった。