こっちを向いて、恋をして。



「中村くんの目的は何……?」


またはぐらかされちゃうかもしれない。
そう思いながらも、恐る恐る訊ねた。

すると、中村くんは口元だけで笑って、


「俺、朝日のこと嫌いなんだ」


はっきりとそう言った。


「なんつーか、偽善者っていうの?自分は目立たなくていいとか、2番手でいいですみたいな。あいつのそういう所、すっげームカつくわけ」

「……」

「だからさ、あいつのこと、ちょっと傷付けてやろうと思って」


冷たい目をして笑う中村くんの姿に、あたしの心も凍りつく。

きらい……嫌いって、何だっけ。

子どもでも知っている言葉。
あたしは頭の中で、必死に辞書をひく。


ただの善意で、この片想いに協力してくれると言ってくれていたわけじゃないことくらい、分かってはいたけど。

朝日のこと、傷付けてやりたいとか……そんな。


「何で……?」

はたから見てただけだけど、仲良かったじゃん。

サッカーしてる時も、普通に話している時も、笑って楽しそうだったじゃん。

なのに、何で……。