こっちを向いて、恋をして。


「中村くん、あたしとっ」

「うん、ダメ。別れないよ」

「……」

あぁ、やっぱり。
そうですよねー……って。

「何でっ!?」

ガタンと両手を机に付き、身を乗り出す。

あたしが言おうとした言葉を、中村くんはちゃんと理解してくれていた。

だけど、それに対する返事は、予想とは正反対。


快く……と、までは言わないけど、受け入れてくれると思ってた。

だって、『付き合うフリしてみる?』と、始めに言い出したのは中村くんで。

お互い特別な感情なんて、抱いていない……と、思っていたのに。


まさか……。


じっとあたしを見る中村くんの表情に、ドクンと胸の鼓動が跳ねる。

ちょっと待って。
まさか本当にあたしのこと――。


「大西さんさ」

「は、はいっ」

「俺が言ったこと、覚えてる?」

「え……?」

「大西さんと付き合うと、俺にもメリットがあるみたいな……そういうことを言った気がするんだけど」

「あ、うん……」

そういえば、言ってたね。
利害関係が一致するとか、何とか。